今回は「バウンダリー」part2です。
ピーンと張るといい。
※この記事は、HSP&エンパス体質の人はついつい境界線がうすくなっていますよ。という特徴をいくつかピックアップし、その境界線を引く、強くする方法をシェアしていく内容になります。
自分とその他を分ける物理的、感情的、精神的、エネルギー的なラインを境界線、バウンダリーといいます。
ネガティブなニュースをみて自分も悲しくなったり、元気がない人の元気がないをもらいやすいHSPやエンパス体質の人は、この境界線がうすいといわれています。
自他の境界線がうすくなると、どこからが自分の気持ちでどこからが他の気持ちかが不明瞭になります。
そうなると、人間関係や人生において厄介な側面がでてくることがあります。例えば、相手の気持ちに左右され自分がコントロールしにくくなったり、周りの空気を読みすぎて、自己主張がなくなったりです。
ヘルシーな人間関係や人生を構築していくうえではわりと大切になってくる心の境界線について、今回はつまびらかにしていこうと思います。
人間関係で悩めるすべての人の参考になれば嬉しいです。
- HSP・エンパス体質の人
- ついつい感情移入しすぎて、それによって体調が振り回される人
- 人間関係において「心の距離」がわからない人
- 自己肯定感や自己受容がうまくいかない人
まずはなんで個人の境界線って大事なのってところからおさえてみましょう。
境界線がうすくなりがちなHSP&エンパス
境界線とは、自分と他人を隔てる物理的・心理的なボーダーライン・壁のことです。
そしてこの相手と自分を分けるうえでのボーダーラインや壁は、自分のニーズや欲求がなんであるのか、相手のそれらはなにか?という人間関係や人生を構築する上では大切な指標になります。
言い換えれば、自分の価値を守り、それとまったくおんなじ分だけに相手の価値を尊重し、自分と相手の関係性を対等でフェアなものとするものです。
この壁みたいなものがHSPさんやエンパスさんは薄くなりがちといわれています。なぜなら敏感=共感力が高いからです。
境界線が大切な理由
境界線の薄さは、人間関係においてシンプルにいうと、不健全な「共依存」につながります。
自分ではなく、「他」によって自分が左右されるので、本当は感じたくもないストレスを感じたり、燃え尽き症候群という結末を迎えやすいです。
その結果、自尊心が損なわれ、自分には価値がない、不十分である、なんて自分はダメな人間だ。という感情や感覚がインストールされます。
そして、自分の粗探しばかりしてしまうというlose-loseの関係性が生まれがちです。
自分がこうしたい、こうしたくない、それが好き、嫌いは、その人が他人に明け渡す必要のないことであって、自分のニーズや願望がわからなくなるということは、人生に意味を見出せないとこまで落ち込むリスクをはらみます。
言いすぎですけどね。自分がこうしたい、したくないはそれが叶うかどうかは別にして持っておいた方がいいエッセンスの1つです。
HSPやエンパスはそもそも共感力が高いので、自分の気持ちと相手の感情を混同させます。それがいい気分であればOKなのですが、ネガティブなものであれば本当なら相手にお返ししてもいいはずです。
そんなのできないよ。という状態のときは以下の兆候があるかもしれません。
- ひどい扱いを受けてもNOサインが出せない
- 自分の時間をついつい誰かのために使う
- 本当はNOと言いたいのにYesという(断れない)
- 反対意見があるのに、それでいいやと流される
- 自分のために時間を使うことに罪悪感を覚える
- 他人に「当たり前」を押し付けられている気がする
- 不快感を感じているのに、触れることを許可している
- ギブ&テイクのギブし過ぎ。(都合のいいひと扱い)
- 自分の労力を使い、他人の犠牲になっている
- (どうにもならないことを)コントロールされすぎ、あるいはしすぎる
- 常に自分のことを犠牲者だと思う
- 「いい人」になることで相手からの尊敬を獲得しなければいけないと感じる
- 他人に自分の人生について詳細を共有しすぎる
- 他人が幸せでないことに、自分が罪悪感を追う(自分の責任ではないのに)
- 他人の望む人でありたいと切望する(誰かになろうとしすぎる)
- 支配的な人(コントロールする人)をひきつけちゃう
- 他人がどう思うかいつも不安・怖い
- 自分のニーズを自分で満たせない、あるいはわからない
こんな兆候が無意識的にも意識的にもある人は、HSPやエンパスかもしれないし、HSPやエンパス体質かつ境界線がうすー--くなりすぎているのかもしれません。
自分よりも他人を大切に。と教わることが多いし、とりわけスピリチュアル的な世界では善も悪もなく、ワンネスが大事だよ。と教わることが多いので、
ついつい境界線をもつことは良くないこと。と誤認識してしまいがちですが、そんなことはまったくありません。
①境界線を引くのは「わがまま」である
これは全くの誤解だと個人的には思います。
薄い境界線を自分が必要だと思う分だけ、強くするとは、「わがままに自己中心的に振舞う」のではなく、自分の価値を自分で認め、それとまったく同じレベルで相手を尊重することとイコールになるからです。
ヘルシーな人はその境界線をもちます。
②境界線を引くと人間関係が壊れる
恋人、友人、家族であれ共依存的な関係性を心地よし。としていた場合、境界線を引くとその人間関係がバラバラになるという心の声があります。
確かに壊れることもあると思います。
しかし、相手の願望やニーズばかり満たして、自分さえ犠牲になれば。という前提条件のもと築かれる人間関係ってあなたにとって価値のあるものと言えるでしょうか?
相手が求めるなら自分も求めるよ。自分が求めないなら相手には求めないよ。とフェアな関係でオープンマインドな関係性の方がたぶん絶対楽です。
③境界線を引くと嫌われる
ついつい「いい人」を演じてしまう人にとって他人から嫌われることは本当に最悪な出来事だと思います。
そういう人の周りには前述のとおり、自分の都合で相手をコントロールしようとする、いわゆる境界線を踏み越え、踏みにじってくる人がいやすいです。
今まで都合のいい人と認定されていたとので、それが(相手の価値観によって)都合の悪い人になるだけです。
それよりもフェアであなたを自分とイコールで対等な関係だと思ってくれる人に対して時間やエネルギーを注いだ方が車はスムーズに道を走りますよ。
むしろ自分にとって相性の合わない人は寄ってこなくなり、相性のいい人と巡り合うのでめちゃくちゃラッキーかもしれません。
④境界線を引くと孤独になる
今まで薄かった境界線を強くするとは、人に対して壁をつくれということではありません。
自分で自分を認める領域と相手に認められる領域をちょうど半分こにすることです、パピコのチョココーヒー味を一緒に食べようよ。ってことです。
なので、最初のうちは不安感が大きくなるかもしれませんが、ゆくゆくはハッピーな展開になることがほとんどです。
⑤境界線を引くとジャッジメントになる
境界線を強くすることは、この人は正しい、間違っているなどジャッジメントを育まないか。という声もあります。
ただ、これは境界線を一義的に捉えているのかなと個人的には思います。
実際には境界線は、相手の関係性において、伸ばしたり縮めたりできるので白と黒のようにはっきり分ける行為とは異なります。
自分にとって相性のいい相手と相性のあんまりよくない相手を知るいい機会になります。
薄くなっている境界線を強くすると、今まで損なわれていた自尊が回復することで以下のようなことが起きやすいといわれています。
- Noをいえるようになる
- 自分には価値があると思えるようになる
- 自分の人生を主体的に生きているように感じる
- 健全かつ強力的なパートナーや友人を引きつける
- 身体、マインド、スピリットのエネルギーが満ちる
- 自分の素直な意見をいう、相手の素直な意見を聴ける
- 感謝を受け取り、大切にされている感覚が戻る
- 自分のニーズや願望がわかりやすくなる
- 罪悪感なしで自分の時間を設けることができる
- 感情のバランスが保ちやすくなる、結果幸福感が増す
- 自尊心が芽生える、あるいは自尊心を育める
- 自由になれる
自分の境界線がヘルシーになってくる、本来の自分感が出てくるため人生や人間関係がスムーズになってきます。自分のYESとNOに従えるってやつです。
さて、薄い境界線をどうやって健全かつ強力にしていくかはいくつかアイディアと方法があるのでぜひ参考になるところは実践してみてください。
①境界線を引く権利と責任があると知る
相手の気持ちをおもんばかったり、相手を優先する気持ちはとても大事ですが、その裏側には自分には境界線をもっちゃいけないという謎のルールが適用されている可能性があります。
なんで他の人はいいのに自分はだめなのでしょうか?自分を低くみせて相手を持ち上げるのがOKなのはなぜでしょうか?
自分のパーソナルスペースを確保してあげることは、人間であればだれでも自由にしていい権利と責任だと思っています。
②自分は相手と同じレベルで大切
HSPやエンパスさんが他人の感情やエネルギーを受け取らないように努めることはなかなか難しいですよね。無意識かつ性質ですから。
ただ、自分を大切にすることはできます。
事実としてあるもの(他人や周り)をないことにはできないけど、すでに持っているもの(自分)にスポットライトをあてるイメージです。
この大切にするとは、自分に価値があり、自分の願望やニーズは大事なものです。と意識的にも無意識的にも浸透させてあげましょう。
あなたがホームレスで、どこかの国の王様であれ、そのニーズや願望に「上下」や「優劣」は存在しません。
行動レベルでいうなら、人混みを我慢して平気になる。ということではまったく、(ふつうなら平気なんだろうけど、)人混みを避けてもいいんだよ。と自分に許可を与えることになるイメージです。
③自分自身の願望を知る
他の人の感情や気持ちを汲み取りやすいHSP・エンパスさんは、他人の要求や願望を満たすことに忙しく、自分のそれらがどういうものかを理解できていない人もたくさんいます。
自分の感情はどういうもので、(渇望からくるものではなく)何に喜びを感じるのか、そしてどうありたいのかなどそれらを紙に書き出してもいいし、SNSで独り言のようにつぶやくのもありかもしれません。
純粋な願望や欲求というのは人生をスムーズに送る本当に大事なエッセンスの1つでもありますよ。
④自分のセルフケアをする(それだけの価値がある)
自分に対して、意識を向けることがここでいうセルフケアになります。
今日は〇〇を食べたいから、それを食べる。サボって1日を無駄にした自分を「まあそういう日もあるさ。」と励ます。
瞑想をしたり、Netflixで好きな番組をみたり、なんでもいいので、自分が喜ぶこと、落ち込んだらそれを認めてあげる方向に時間とエネルギーを使うようにしましょう。
⑤NOをいう(練習をする)
これをしたいという欲求と同じくらい大事なのは、自分が不快になることを探ることです。
Noサインも誰にも侵犯&審判されることのない意志ですから。
なかなかNoが言えなくて困るんよ。という人は、言い回しを工夫してみることから始めましょう。例えば、今は忙しくて、とか、次回はたぶんとかね。断ることに嘘をついても大丈夫です。
⑥どんな人がいつ境界線を越えてくるかを知る
あなたが境界線に対して無自覚な場合、境界線を越えてくる人やタイミングを知るのはなかなか難しいことの1つです。
ただ不快になったり、動揺したり、軽蔑されたり、ネガティブな気持ちになるすべての出来事を記録しておくことで、どういう人が苦手で、どういう人のどこが気になるのかが冷静に分析できます。
ポイントとしては、会った出来事(事実)と感情を別々に分けることです。
また、身体の声を聴く。ことで境界線について知ることもできます。特に胃腸は他人とのエネルギーを同調しやすい器官の1つなので調子をみてみるといいでしょう。
⑦責任を負いすぎない
自分の問題と他人の問題を一緒のテーブルでごちゃまぜにしがちなHSP・エンパスさんは責任を負いすぎる傾向にあります。
社会的責任や義務、会社での決まり事や暗黙のルールなど、世の中には自分が果たさなくてもいいこともたくさんあります。
相手の責任ばかりを負っていると、ストレスが蓄積し、燃え尽き症候群になります。
それは私の問題ではありません。と声を大にしてみましょう。
⑧自分にとって「有害」な関係は切る
言わずもがな、何をもって「有害」とするかは人それぞれだと思います。
ただ、個人的には相性の悪い相手だと思います。その人の性格とかは関係ないです。
よく自己啓発系の教えでは、自分にとって有害と思える人間関係や友人・知人ほど大事にしなさい。というのも、自分が嫌だと思う相手、他人は自分の映し鏡なのだから。
というものがありますが、これはいつどんなときも適用できるとは思っていません。
例えば、ふつうに歩いてただけなのに、横から平手ビンタをしてきたら、その人が自分の映し鏡と思えって無理がないですかね?
自分が映し鏡になっていそうなところは注目しつつ、そうでないところは相手の責任なのでそれは相手が収穫すればいいだけの話です。
⑨助けを求める(過去の関係ではない)
自分のことだから自分でなんとかしなくては。と視野が狭くなるのは健全ではないと思います。
今や、HSP、エンパスはわりとポピュラーな考えになったので、それに関連する本やサイト、Youtubeなどをみて意見交換してみたり、それでも難しいなら専門のカウンセラーをみつけたりですね。
自分でやってみて無理なら他の手段を使うっていうのはいいことだと個人的には思いますよ。
こんな偉そうなことを書いておきながら、ぼくは境界線を引くのがめちゃくちゃ苦手な人でした。
人から必要以上に良く思われようとして、丁寧なコミュニケーションを心がけたり、嫌われたくないから、相手が言ってほしそうなことを先回りして言ったり。
一時的な関係は良好になるけど、やっぱりそれってどこか自分を着飾ったり、変に取り繕ったりするから持続的な関係にはならないんですよね。
何がきっかけだったかは忘れちゃったんですが、まあいいや。と思って自分らしくあることを心がけたら、確かに切れちゃった縁もたくさんあるんですけど、それ以上に自分に必要な縁がベストなタイミングでくるようになった気がします。
とはいえ、まあ、この人なら境界線ゆるくしてもいいかあ。とまあ、しゃあないよなあ。となりがちなので全然うまくいかないときもあります。
いい感じだったり、過去の自分を戻る感じがあったりしながらも少しずつ自分にとってベストなバウンダリーをみつけていけるといいですよね。
ちなみに、家族やパートナーなら境界線はゆるめなければいけない。みたいな考えもあるみたいですが、ぼくはまったくそんなこと思いません。家族やパートナーにこそ境界線が必要なときもあります。
親だから面倒みねばとか意味わからんルールに切り替わりやすいポイントですから。
みなさんは心の境界線どうしていますか?
いつも読んでくださってありがとうございます。