今日のテーマは、「アーキタイプ×シャドウ」です
自分のダークなところをよくみていこう。
※この記事は、ユングの元型(アーキタイプ)を12種類別に紹介しつつ、それがダークに染まったらどうなるかを勝手に予測してみる内容になります。
ユングは、スイスの心理学者で、分析心理学の父です。彼の研究テーマの1つは(個人ではなく人類の)無意識領域にあるためスピリチュアルとはわりと相性がいいんですよ。
ちなみに、ユングは心理学だけではなく、民俗学、宗教、神話、錬金術、占星術、 文学なんかも研究していたといわれています。
そんな博識ユングマスターが、44歳の時、精神病者の幻覚や妄想が、神話や伝説などと共通のパターンで成り立っていることに気が付きます。
このことから、心の世界には「個人的無意識」と「普遍的無意識」という2つの層があり、 人類共通の「元型(アーキタイプ)」が存在するという考えを提唱しました。これが元型論です。
そんな、ユングのアーキタイプをベースにそれが良き過ぎたらおそらくシャドウアーキタイプをつくるよって話をしてみます。要するに人類にあるっぽいダークな性格一覧みたいなものです。
みなさんは自分のダークサイドにはどんなものがあるでしょうか?
- 性格診断とかが好きな人
- 心理学やスピリチュアルの心の見方が好きな人
- 自分を知ってみたい人
- 自分のダークサイドを覗きたい人
まずはアーキタイプ、元型について説明してみます。
誰しももつ象徴とイメージ
ぼくはユング心理学をマスターしているわけではないので、興味のある方は本などで詳細に勉強することをおすすめしますが、アーキタイプとは無意識に働くイメージのパターンです。
例えば、「母」に関しては、すべてを包み込んでくれるような愛、やさしさというイメージを教わったわけではないけど抱きます。実際に古代文明とか縄文時代の土偶には、「母親」を象ったっぽいものが多くあります。丸くふとったやつ。
微妙な違いはあれど、母親=命を生み出すものとしての無意識のイメージが全人類にあることから、心の中や無意識に語り継がれる「母親像」みたいなものってあるよね。としたがアーキタイプです。
時代やいろんなものを越えて、そういうみんなの無意識に蓄積された人格(イメージ)のテンプレみたいなのがあるんじゃん?と考えたやつが元型論ですね。
ちなみに、このアーキタイプは、人類生誕から今日に至るまで形成され続けているものです。なので、ぼくらの典型的な無意識やDNAレベルで、そういった(勝手な)イメージや象徴パターンがあるものといわれます。
スピリチュアルで言い換えるなら、いわゆるアカシックレコードに「対象」が加わってそれがパターン化したものかなって思います。天使とは羽の生えてかわいらしい感じなのは、その陽気さや護ってくれる感からだ。みたいな。イメージ。
ユング心理学をきっかけにいろんなアーキタイプを発見(仮定)していく人類なのですが、わりとポピュラーなのは上の図の12のアーキタイプです。(これはユングではないですが。)
まずはダークサイドを見る前にこちらをみていきましょう。
①統治者(Ruler)
こちらは、リーダーってやつですね。数秘術でいうところの「1」です。周りの潜在能力を最大限に発揮したいと考え実行し、信頼され愛され、明確なビジョンをもって先導できるようなアーキタイプです。
父の元型とも呼ばれます。
②反逆者(Rebel)
こちらは、権威あるものや社会的に当然とされるものに対して真向から勝負を挑むアーキタイプです。彼らは既存システムの破壊と再構築をのぞみます。オリジナリティを発揮するのが得意なタイプです。
③求愛者(Lover)
単純に愛する人ってやつですが、魅力、情熱、親密さ、つながりを活かすアーキタイプです。ワクワクする感じ、ときめき、キュートな世界を表現してくれます。
④介護者(Caregiver)
困っている人、社会的弱者などに対して手を差し伸べる勇敢なアーキタイプです。育成、サポート、ケアなどを得意とし無私無欲な愛情を捧げるので、殉教者ライクな元型ともいわれます。
⑤創造者(Creator)
クリエイティブさを表現し、革新的なアイデアをカタチにしたり、自由な発想で物事に新たな価値や意味を与えるアーキタイプです。想像力、芸術性、そして自己表現を世界に与えます。
⑥賢者(Sage)
知識、叡智、世界への理解力をもつアーキタイプです。知識が豊かで好奇心をもち、聡明なタイプで、様々な視点から物事や世界を捉えることができます。
⑦幼子(Innocent)
純粋さ、無垢な心、楽観さをもつアーキタイプです。世界を曇りない眼鏡でみつめるので、非常に信頼しているタイプで周りからの信頼も得やすいです。
⑧探求者(Explorer)
自由、冒険心、独立心をもつアーキタイプです。未知の世界に自ら飛び込み、困難さをもバネにして世界の面白さを発見していきます。
⑨英雄(Hero)
勇気、強い意志、決断力をもつアーキタイプです。失敗や敗北を経験しても粘り強く立ち上がり、成長の末、最後には成功や勝利を自らの手でつかみとります。
⑩魔法使い(Magician)
魔法、ミステリアスで未知な特性をもつアーキタイプです。ヒーラーやシャーマン、または発明家としてその力を発揮しやすいです。物事を魔法みたいに変身できるタイプです。マジシャンだけちょっとアーキタイプ的の立ち位置では説明しがたいところがあって微妙なんですよね。
⑪道化(Jester)
いわゆるピエロで、お調子者、遊び心、今ここを楽しむ天才です。ジョークを使って、苦しみを和らげ、困難な状況を軽くするいたずら好きなアーキタイプです。
⑫普通の人(Everyman)
ユングのアーキタイプでは孤児をとるこのふつうのひとですが、普遍性や平凡さを持つタイプです。もう少し解釈を狭めるなら、自分自身を大きな全体への貢献者とみなすアーキタイプでもあります。
どのアーキタイプ(イメージ元)みたいなのはそれぞれ、個性や性格別に一つまみずつくらいはもっていそうですよね。例えば介護者もあり幼子的なスタイルももっているみたいな。
ただ、これらのアーキタイプが本来の自分だと思い込みすぎて、過剰にでるとおそらくそれはあなたの影の部分の性質として(自分にも周りにも)誤認識されます。
なので行き過ぎた場合のダークサイドバージョンをそれぞれみてみましょう。
①ダークな統治者
行き過ぎたリーダーシップはいわゆる独裁者になりやすいですね。これはイメージが簡単です。
周囲の人を先導するのではなく、支配的かつ、抑圧的なエネルギーで上から抑え込みます。基本的には自尊心がぶれやすく、自分の価値とパワーを誇示したいがためにこういう反応になると個人的には思います!
②ダークな反逆者
いきすぎた、反逆は、アナキストです。アナキズムが悪いとかそういう意味では全くなく、既存のシステムや社会体制に違和感をもつことはとても大事なことですが、それらをまた別の「主義」で正当化しようとすると、
どこかでガタがきます。結局、正しさなんてものは偶像だからです。ダークな反逆者になると、破壊的でカオスめいたものを好む性質が顔を出しやすくなります。
③ダークな求愛者
いきすぎたLoverは、結局それなしでは自分を保ったり認められなくなるのがとても危ういです。言葉にするなら共依存的な関係性を好んだり、あるいは、相手を自分の魅力を使ってコントロールしようとしすぎたり、
ギブ&テイクな関係性になりやすいと個人的には思います。こちらも不安感や恐怖心なんかが裏に隠れていると思いますよ。
④ダークな介護者
他人を慮ったり、他人のために行動できることはとても素晴らしいことです。ただそれが行き過ぎると、自分の欲求を我慢しても相手に尽くしたり、相手のためを思いすぎて、自分が犠牲になるような状況を生みます。
その結果、自分がよくわからなくなったり、自分で自分を認めるみたいなことができなくなる自己否定モードに張り込みます。
ネガティブな意味でバウンダリーがめちゃくちゃになっちゃうんですよ。
⑤ダークな創造者
ダークなクリエイティブさを出す。というわけではなく、こちらは行き過ぎると、完璧主義に陥ります。完璧主義は、それが機能的に働いていれば、物事や世界を美しくしようとするのでとてもいいのですが、
バランスを崩すと、何をしても満足できなかったり、常に自分ですべてをやろうとしたり、自分で自分を常に批判するモードになります。完璧主義の深層心理は、満足する感覚を忘れがち、他人に規定されたルールを適用させすぎ、なんかが糸口になるはず。
⑥ダークな賢者
知識や知恵をもつことはとても素晴らしいことですが、それを極限まで高めると、とにもかくにも疑いから入る。とうのがダークモードな賢者さんです。
世界を理解することは確かに難しく、猜疑心をもつことは悪いことではないんですが、疑いすぎて、真実を彷徨う迷子になるのであれば、何が目的で、何を願望としているのかを整理整頓してあげる部分を活かしてあげてみましょう。
⑦ダークな幼子
純粋さや楽観さはこの世を楽しむエッセンスになるとは個人的には思います。ただ、④のケアギバーと一緒で、犠牲になりやすくなります。
「なんでもいいや。」が口癖になっているとネガティブな意味で世界はどうでもよくなってしまい、自分の主体性がネガティブな意味でなくなります。そうなると、人生において無力感などを感じやすくなりそうですね。
⑧ダークな探求者
自由さだったり、冒険心をもって世界を探求することはとても素晴らしいことだと思います。ただ、こちらもバランスを崩すと、何をやっても面白さを感じられなくなったり、興味の幅が広まりすぎて、どうしたらいいのかわからないような迷子になりやすいタイプだと思います。
また、これは自分自身の価値観次第ですが、コロコロ住む場所や職業やパートナーや人間関係が変わることで、自分の価値はなんなんだろう?とネガティブな根無し草のような状態になり、無価値観を覚える可能性もあるでしょう。
⑨ダークな英雄
映画やドラマで登場するようなダークヒーローっぽい感じですが、自分がヒーローになるためには、他人を蹴落としてまで、とか、他人を押さえつけてもよし。とするのが行き過ぎたヒーローです。
戦わなくてもアグレッシブにならなくても、自分の目的は達成できたり、自分の願望はスムーズに叶うことを知っておくといいでしょう。
⑩ダークな魔術師
こちらは、ちょっと異質な感じで、自分の特性や能力を人やものごとを貶めるために使うタイプです。要するにブラックマジシャン、黒魔術的な存在ですね。
ぼくはこちらのダークな魔術師に関して(もちろん他のタイプもそうなんだけど)は、自分がそれで満足だったらいいんじゃない。と思う気もしますが、どうせならみんなが喜ぶことに使ってあげた方がお得ですよ。
⑪ダークな道化師
これはまさにジョーカーみたいなやつだとぼくは思うのですが、ジョークを使って他人を利用してコントロールするようなアーキタイプです。
あと、ジョーカー的な世界観から抜けてみると、つねにふざけた世界にいるので、周りから地に足のついていない感じに思われたり、自分でそう思ったりです。世界に対する責任感(自分で生きているぞ感)はなくなりそうです。
⑫ダークな普通の人
ダークな普通の人という日本語がはちゃめちゃですが、いきすぎた「普遍性」や全体への貢献は、自己やアイデンティティの欠如といえます。
これを究極に突き詰めたら悟りになるんでしょうけど、ぼくらは一応人間やっちゃっているんで、バランスを崩して、自分なんて・・という部分が顔を出したら一度自分自身を見つめなおしましょう!
アーキタイプは、それこそDNAレベルで作用するアイデンティティ、心象イメージで、普段は気が付かないし、いつからそうなのかはわからないんだけど、自分はこういうタイプかもと感じるようなやつだと思います。
いわずもがな、どのタイプだから素晴らしいとかどのタイプだからダメってやつはまったくありません。人類が12タイプにだけ元型をもつっていうのもおかしな話ですから。
ただ、もし、自分が例えば介護者、ケアギバー的な性質をもっていて、なんか人生うまくいかないなあ。ついつい相手の気持ちばかりを優先しているなあ。というときは、ダークなケアギバーになっていると思い返してみましょう。
(ユング心理学に基づいて)正確に言えば、それはあなたの「シャドウ」(影)の部分だからです。自分は相手に与えることは好きだけれど、ヒーローっぽい性質もあって、注目を浴びたいのかもしれないなどなどですね。
自分の性質にあったちょうどいい配分のアーキタイプをバランスよく使うのが良いんだと思いますよ。
ぼく個人の話をすると、あたりまえだけどどのアーキタイプも親和性を感じるんだけど、特に活かしてみたいなと思うのは魔術師ですね。かっこいいからです。
みなさんは、どんな無意識にどんなふうにアクセスしているでしょうか?
いつも読んでくださってありがとうございます。