今回のテーマは「ダーク・エンパス」です。
ふふふふ。
※この記事は、2020年にイギリスの心理学者らが発見したとされる「ダークエンパス」について、その定義や特徴をご紹介する内容になります。
サイコパス=ヤバいやつ!と一緒くたにしがちですが、サイコパスとは、認知的な共感力が欠けている人のことを指すことが多いです。認知的な共感力とは相手の立場に立って、相手の気持ちを理解する能力のことです。
エンパスは敏感で、直感がすぐれていて、周囲の人たちの感情やエネルギーに共感力を覚えるひとを指す言葉になります。HSPともいいます。
結論から先回りしていうと、ダークエンパスとは、認知的な共感力を半分だけ持つ性質があるといわれます。
つまり、相手の感情にはそこまで共感できない(気持ちはわからない)けど、その人の視点に自分を重ね合わせて理解できる(立場や状況は共感&把握できる)人です。思考回路はわかるけど感情はさほど共感しませんよ。ってやつです。(ゼロではないってこところがポイント)
(このアイディアは2020年に発見された!とよく言われますがぼくはもっと前からあったんじゃないかって思います。)
今回はそのダークエンパスについて、その特徴やちょっとヤバそうだぞ!と言われている理由をご紹介してみます。これは、ぼくその気質ちょっとわかるから自分の闇をみるようでドキドキなんですが、ぜひ最後までご覧ください。
- ダークエンパスに興味あり
- サイコパスなどの闇の性格特性を知りたい人
- ダークエンパスが周りにいたときの対応などを知りたい人
- 心理学に興味がある人
まず、ダークエンパスの「ダーク」と言われる部分について理解してみましょう。
3つの闇の性格特性
ダークトライアドという3つの性格を表す総称があります。それぞれ、サイコパス、マキャベリズム、ナルシシズムです。
他人への共感や、罪の意識の欠如。衝動的で計画性のない性質をもつ。しばしば社会のルールから外れたり、反社会的な行動を起こす。
他者を搾取、あざけ笑い、洗脳する特質をもつ。(政治的な活動面において)目的を達成するためには手段を選ばない性質が由来。
自分大好き人間。特に権利意識、優越感情、自分すごいぞ。などの誇大妄想をし、自分のために他人を利用することをいとわない性格がある。
一言で言えば、冷徹で攻撃性をはらんだ性格という感じですかね。確かにダークです。
とはいえ、人の性格なんてこんな単純化できるものではなく、もっといろんな多様性、複雑性があるんじゃない?とも思うし、サイコパスとひとくくりするのはなんか面白くはないよなとまめたろう的に感じています。
続いて、ダークエンパスの「エンパス」と言われる部分について解説していきます。
エンパスは敏感で、直感がすぐれていて、人々の感情やエネルギーに共感力を覚える人格を指す言葉になります。
特徴
エンパスの人に共通しているのが、他人の気持ちに敏感で、日常生活やビジネスでコミュニケーションを取るだけで、情報を整理し相手の気持ちが手に取るようにわかってしまうことです。
例えば、「機嫌悪い?」「昨日と雰囲気が違う?」など、ちょっとした感情や体調の変化に気付くことができます。人によっては、会話をしなくても感じ取ってしまう人もいます。
他人の気分が分かってしまうため、自分も気持ちが釣られて沈んでしまうこともあります。喜怒哀楽が激しいと言われてしまうのは、感情操作よりも人々の感情を察知し影響してしまうのが理由の一つです。
まず初めに紹介したいのが、身体直感型です。他人の身体に起こっている主に体調面を察知できるタイプのエンパスです。
会話をして分かる人もいれば、相手と何も会話せずとも、頭痛や腹痛などの体調の変化に気付いてしまいます。
他人の身体に起こっていることを察知するだけでなく、自分の身体にも伝わってしまうタイプのエンパスです。
直感型ととても似ていますが、「相手の頭痛や腹痛を察知して、自分も痛くなってしまう」ため、自分が影響を受けてしまうダメージが大きい傾向にあります。
身体の変化に気付くタイプとは異なり、他人の感情を察知できるタイプのエンパスです。
感受性が強く、話している人の表情や話し方などの細かい変化に敏感で感情を読み取る能力に長けているのが特徴的です。
他人の感情を察知するだけでなく、自分の感情にも波及してしまうタイプのエンパスです。
こちらも感受性が高く、なぜか自分もイライラしたり泣きたくなってしまいます。
今まで紹介してきたタイプと少し異なる性質で、関わった人の知識や思考を追体験するタイプのエンパスです。
例えば、今まで未経験で知識も全くない状況にもかかわらず、技術や流れを知ると、その道のプロかのように使えるようになってしまうケースです。人の思考を察知することができ、意識せずとも適応していく能力だといえます。
映画やドラマが苦手
エンパスの人は、映画やドラマなど感情が揺さぶられるシーンを苦手とする傾向があります。例えば、手術のシーンや戦争シーンなど、メッセージ性が高い部分は、必要以上にエネルギーを受け、感じ取ってしまいます。映画やドラマを見終わった後に疲れや嫌悪感を感じてしまうのは、そのためです。
その他、精霊や神仏と一体化する「スピリチュアルワンネス」と呼ばれるエンパスもあるそうです。これに関しては超能力的要素が強すぎるにしても、上で挙げた5つは感受性の強い人、観察眼が鋭い人なら持ち得そうな体質と言えるでしょう。
ダーク的な要素が何かわかったところで、次はダーク×エンパスの説明をしてみます。ちなみに、こちらはノッティンガム・トレント大学が発表した研究に基づきます。
2つの共感
991名を対象に行われた研究では、ダークトライアドの中にも平均以上の共感能力をもつグループがいることがわかったそうです。
ちなみに、「ダークトライアドの性質がある人は共感能力に欠け、それゆえ、そうでない人たちよりも危険で攻撃的になりうる」定説があり、そこに疑念をもったことからこの研究が行われたようです。
ここでいう共感能力とは以下の2つです。
- 情緒的共感力:他人の立場に寄り添い、同じ気持ちを共有できる力
- 認知的共感力:他人の立場や考え、視点が理解できる力
あなたが何を考えていて、なんで悲しいかはわかるよ。(でも別に自分は悲しくないけどね。)ってというときは、認知的共感力が主に働いている。ということになります。
あなたが怒っている気持ちになったら、私もプンプン!ってときは情緒的(感情)共感が働いているというイメージです。
この感情的および情緒的共感が欠如すると、他人への攻撃性が高まりダークトライアド的な気質を帯びやすいといわれます。
ダークエンパスとは?
ダークエンパスは、ダークトライアドとエンパスの気質両方を持つ人のことを指します。
簡単に言ってしまえば、冷酷で無慈悲な部分も確かにあるんだけど、共感力(主には認知的および情緒的)も高いみたいな人たちです。
相手の立場や思考パターンには共感はできるけど、感情的共感はさほど。というイメージですね。
次にダークエンパスさんの特徴を詳しくみていきましょう。
①外向的だが「裏がある」
外向的とは、社交性や活発性、外とのかかわりを積極的に持つタイプを指す言葉です。
基本的に、ダークトライアドの外向性は低いとされるものの、ダークエンパスはこの外向性をもちます。人と楽しんだり、交流を楽しめるってことなので、人当たりがよかったり、好感度が高い人です。
ただ、そこには「見返り」を求める性質があるそうです。
例えば、ボランティア活動に参加して、良い人に思われたいとか、ホームレスの手助けをして、自尊心を育みたいとか、弱い立場の人をサポートして、支配感を味わいたいとかですね。
相手のことを気に掛ける領域は持ちつつも、それよりも自分の利益を追求したいが勝つイメージです。
②エンパス能力を利用してコントロールする
①とおんなじですが、基本的にダークエンパスさんは、ただただ他人のネガティブな感情を共有するのではなく、それを使って、相手より優位に立つ。というのをよしとします。
なので、他人に罪悪感を植え付けて、コントロールしたり、考え方や思考パターンなどを支配します。
研究によると、「悪意のあるユーモアや、人に罪悪感を抱かせる言動」と言っています。
悪意のあるユーモアは例えば、クラスに太っている人がいるとして、その人を「魔人ブウ、安西先生、紅の豚のポルコ」と揶揄して笑いを取るみたいなイメージでしょうか。例えがへたくそすぎますが笑
個人的にはこの裏には恐怖心とか自尊心の欠如が隠れていると思います。
③自尊心を守るためなら他人を利用する
ダークエンパスさんは、自分の地位やプライドを守ることに躍起になります。それゆえ、自分の共感力≒見せかけのやさしさなんかを利用して、例えば会社の上司や同僚から評判を良くするためにそれを使います。
いわゆる「負け組」になることをけっこう嫌う性質をダークエンパスさんは持ちます。
④復讐心や恨みを持ちやすい
自分がされて嫌だったこと、自分のプライドが傷ついたことなどに関して、その行為自体を許すことはできるものの、相手の過ちを決して忘れません。
相手に傷つけられたらその場はニコっとやり過ごすけど、後からいろんな仕掛けで相手に報復する人ととかいたらめちゃくちゃ怖いですけどね。そんなイメージです。
⑤嘘や欺瞞は良いものである
よく日本語で、「噓も方便だよ。(ついてもいい嘘はあるんだよ。)」という教えがあります。基本的には、相手をおもんばかってつく嘘はやさしさだよというやつです。
これを真逆で、自分の利益のために使うのがダークエンパスさんです。
結婚詐欺師さんとかのイメージですかね。彼らは時には弁護士に、医者になり、相手を喜ばせるためにたくさん嘘をついて、お金をゲットします。
目的のためなら嘘をつくのはいいんですよ!を地でいくのがダークエンパスさんです。
⑥終わりのない承認欲求
ダークエンパスさんは、わりと目立つ立ち位置を好みます。注目を浴びていたい。みたいな感じですね。
他人に影響を与える立場を好み、その計画立案をするのがけっこう得意で好きです。
承認欲求を持つことはもちろん悪いことではないんですが、承認欲求だけが自分を認める手段となるのはすごく危ういです。ナルシシズムの入り口になるからですね。
ダークエンパスさんの深層心理には、おそらく不安感情、恐怖心、(攻撃的に出るパターンでの)自尊心の欠如が隠れていると個人的には思います。
ただ、実際に近くにいたらけっこうめんどくさいですよね。なので、接し方のアイディアを共有してみます。
①思いやりをもつ
思いやりとは、相手に優しくするということではありません。
相手と自分をフェアで対等な存在と認めることです。傷つけられたら傷ついたよと言うし、優しくされたら、ちょうどその分だけありがとうを示すことです。
「私はこの人と共通する点がありません。」という時、あなた(私たち)は多くの共通点を持っていることを思い出してみましょう。ってやつです。
②人前で欠点をあげない
ダークエンパスさんはその自尊心の欠如や恐怖心などが深層心理にあると言いましたが、それらを人前で露呈されることはめちゃくちゃ嫌います。
社会的イメージ、人からどうみられるかにこだわるタイプですね。
なので、人前で彼らを辱めるようなことをしてしまうとあなたに対してオープンではなくなり、関係構築が難しくなります。
③境界線をキープする
ダークエンパスさんは、相手の境界線にスルスルと入り込み、その境界線をいじるのが得意なタイプです。
なので、どこからが自分の責任の範囲内にあって、どこからが相手の責任の範囲内なのかを明確に線引きする必要があります。
冷たくしなさいとか、敵意には敵意で返せと言っているわけではもちろんありません。
自分を尊重するのと同じくらい相手も尊重するという意味で対等な関係なんですよ!というのをしっかりと伝えてあげるということです。
ダークエンパス気質を持つことは全然悪いことではないと思います。サイコパスがダメっていうのはあくまでそちらが作ったルールでしかないのと一緒です。
ただ、もし、相手に見返りを求める行動が癖になっていたり、相手をコントロールすることに生きがいを感じていたらその人生はちょっぴりつまらなくなると思います。
なぜなら、相手ありきで自分を認めるみたいな終わりのない道を彷徨うことになるからです。まあそれが好きならいいんですけどね笑
①渇望とピュアな願望の違いを見極める
何かを求めたり、欲求を抱くことはまったく悪いことではないですし、むしろ人生を豊かにするためにとても大切なことです。
ただし、それが条件の付く願望だった場合は、自分の心の奥に傷がある可能性が非常に高いと思います。
例えば、誰かから認められたい賞賛を受けたいから、豊かで贅沢な暮らしがしたいとか、この年になったら結婚して子供がいるのがふつうだから結婚したい(せねば)となるようなときです。
願望が知らず知らずのうちに渇望や義務になっていないか自分の心の動きやパターンをまず知るのがダークエンパスのダークさを緩める第一歩です。
②心の傷を知る
生まれながらにダークエンパスです!みたいな人ってほとんどいないと思います。(個人の見解)
他人を利用したり、コントロールするためにエンパスを使うのは悪いことではないんですが、それがゆえに自分が一番傷ついているかも。という視点をもってみましょう。
なぜなら一生満ちることのない渇きを求め続けることになるからです。
それがおもしれければいいんですが、たぶんきっとどこかで疲れます。
③ダークエンパスとして生きる
これは①、②のケースが自分にはなさそうという人向きです。
個人的にはダークエンパスでも思いやりがめっちゃあるブライトエンパスでもどっちでもいいと思います。
ダークエンパスという肩書を持っているのも自由だし捨てるのもまた自由ですよね。
もし、自分がダークエンパスということがわかって、それが、生きやすさのきっかけになったり、相手を利用することがけっこう自分のピュアな願望なんだよね。っていう魂ももちろんあると思います。
そういう人は全然そっちで人生を送ろうって決めるのもありです。そこでモヤモヤしなかったり、人生がスムーズにいくのであれば今回の人生はダークエンパスモードで生きると自分が決めてきたって勝手に思っておくのがよきです。
だからといって、誰かを傷つけまくれ、社会ルールなんて破りまくれってことではないんですけどね。
ダークエンパスはサイコパスより危険だよ!という言説は多いです。理由としては、サイコパスやナルシシズムはその攻撃性を開けっ広げに敵意をみせる一方で、
ダークエンパスはその外向性や共感力を活かし、攻撃性や敵意はうまく隠すことができるからです。要するに見抜きにくいんですよね。
個人的な意見としては、ダークエンパスというレッテルが本当にありだとして、攻撃性や敵意をうまく隠すから危険だ。という風潮が出回る方が危険だと思います。
エンパスとは、「自分の傷を相手にみて、相手の傷を自分にみることができる」ことが本質にあるからです。つまり、ダークエンパス的なレッテルを貼ることで、より攻撃性が鋭くなる気がしています。
あと、隠すからそれがより危険で悪いってじゃあ、開けっ広げにしてたらそれはいいのかって話になりますからね。笑
そもそも良い悪いの話ではなく、最終的にはダークエンパス的な人だったり、ダークトライアド的な人から何を気付いてそれがどう自分の人生に活かせるのかだと思います。自分にとって相性の悪いものだったらサヨナラまた来世で会いましょうで終わりますから。
あと、この研究データはまだ乏しいので、これをすぐに信用して、自分の人生や性質のルールブックに適用させるかも自由だと思います。
ぼくは、うん、おもろい。としか思いません。実にいろんなグラデーションをぼくらは持っているようですね。
みなさんはどう思いますか?いつも読んでくださってありがとうございます。
素晴らしいブログでした。
私自身ダークエンパス気味だと最近知り考えてしまっていたところです。
多分過去のトラウマと劣等感が大きいんだと思います。
それからどんな人に対しても表面的に友好に接しながらも相手を傷つける為の手段や自分を守る方法は何かあった時の為の正当防衛として持っていました。
喧嘩をしてしまった時はいつもそれが最悪の結果を招き人間関係を破綻させてきました。
自分自身の性格と向き合いこれまで以上大切な人を傷つけないように努力して生きていきたいと思います。
嬉しいです☺
ダークでもライトでもなんでもいいんですが、自分の本当に望む人生を創造していきたいですよね^^
防衛本能をいかにコントロールしたいかが僕らのテーマにもなっていそうですよね~!