傷付いている人がいて
本人がそれに不感症的であったら
その傷が原因で苦しんでいるのだと
口を衝いて出そうになる
一度感じてしまったら
そう捉えてしまったら最後
善意と自我を取り違えたとしても
その二つは紙一重かもしれないけれど
発散するまでそれが身の周りを漂って責め立てる
単なる勘違いかもしれないのに
相手は無傷で、自身の網膜が傷付いているかもしれないのに
自分の網膜の傷を確かめるには時間がかかる
問題を複雑化させないためにも人に頼るべきか
自身の傷を検分出来たなら他者に自分を見ることは減るだろうか
善意が絡まって脚が縺れるとはな
生活に打ちのめされ続け
別段相手は魔王でも獅子でもない
人間の日常に潜む隔たり
日々の確信を精査して
蝶の羽ばたきに心を向ける
ペドロ