悲しみに満たされて
それがかすがいに成るのなら
私はそれを受け入れる
足早な悲しみよ、さようなら
遠い他人からすれば
いつかは整理すべき荷だと言う
私はその情感の落差に驚きを覚えるばかり
軋轢が異国の言葉となって耳を打ち続け
他人との距離は開く一方でも
悲しみの糸を手繰ってあなたに触れれば
痛々しくも親しんだ安らぎが待っている
殻を厚く厚く、静寂に包まれて
頑なに前を見ずに
僅かな躊躇いは指の隙間からこぼれ落ちた
くたびれた時計の針をもぎ取れば
完全な世界への身支度が終わる
このような異国に未練は無いから
不死の悲しみを連れ立って
あなたの全てを焼き付けたい
ペドロ