現実は嫌味ったらしく滑らか
私の意識は一人ザラつくようだけど
些末な事にせっつかれて
我に返るを繰り返す
痛みや不安が急所であるし
欲望や怠惰が死角なせいか
もう人の持つ弱さに従ってしまえ
そうして私は手を合わせて大願を託す
不可視の者に頭を下げて
焦りと不安にそっと蓋をする
無防備になるとは知らずに
五芒星が逆さまとは知らずに
ついつい快の匂いに身を委ねる
六つの願いが叶った頃には有頂天
荒波を軽く往なし、断崖は平地の如く
そのはずだった、そうであるべきだ
表の顔はいかにも耽美で
裏の顔を知る者は手遅れ
七つ目の願いは相手の番だ
高く高く僅かに重力を忘れたから
獲物がまんまると肥えたから
意気揚々と足を掬いにやって来た
その高低差がたまらないのでしょう
鼻をへし折るのが大好物な奴ら
奈落の底へ落ちるその顔だけが餌なのね
絶望を味蕾で楽しみながら
喉を通る感触に酔いしれている
視えないは存在しないではない
次こそは、明け渡してやるものか
何一つとして明け渡してやるものか
核を差し出さず私は私に賭けてみたい
ペドロ