その怒りは腐臭を放ち、粘性を帯びていた
妬み嫉みが究極の支配に至ると、気を失ういかける
何度となくそういったことを経験した
その度に手で身体を支え、堪えていると
自分は四つ足になりたいのではないかと思った
この復讐には代償が必要である
それは間違いなくこの『自分』であった
待ち受ける未来は灰塵であろう
そこに犠牲者を一人増やせるかどうかの違いがあるだけで…
意識の遠退きと共に亡霊が現れた
複合的な表情をしたその亡霊は短い言葉を残し消え去った
『汝に巣食う非尊敬を排すべし』
その亡霊は創世の兄だったのだろうか
ゆっくりと、黒魔術めいた現象は衰えていった
復讐の怪人には成り損ねたようだ
ペドロ