嫌な時代に生まれて
気に食わない容姿で
故郷に愛着もなく
特に他人を愛することもない
そんな人生でも終わりがくる
この時代、この容姿、この故郷
全部がたった一回こっきり
他人を愛さず自分も愛さないまま…
そう思えば、そう思えたなら
死を想えば生に電流が走る
人生が際立ち背筋は伸びる
惰性は糾弾され、命を懸けてこう問われる
『本当にお前はそれでいいのか?』
真っ向から答えられる自信はない
その焦燥感は濁流となって全てを浚う
無数にあった選択肢達を慮ると無力感に苛まれる
非可逆性で建立された世界に対して
狂わずにいるにはどうしたらいい?
生に執着するのでもなく
死を乞うのでもなく
機会を大切にしよう
僕はそう思った
何の超越性も無い考え方かもしれない
それでも、地面を這いつくばる僕には丁度良い
死の看破は誰かに任せて
死を睨め付けるくらいが丁度良い
ペドロ