天空を月が占拠してどれだけ経とうか
実らせ育み、血液を与える星の名を忘れてしまった
その星の笑顔は生き甲斐になりえたのに
暫しの間、狩人に休息を与えるはずだった闇は
悪事を潤滑に行う為の闇に成り下がった
自然が淘汰されたならば
不自然が補うのは必定であろう
袖を通すも、喉を通るも、団欒さえも
寒々しいものに取って代わった
この不審の念、どうしてくれよう
子へ語り継ぐしかないのか
それでも、それでも訴え続けよう
この世はどこかおかしいと
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我らの均衡戻りしとき
我らは潔く常しえに続いた時代を子に譲ろう
古の時代は苔がむし、苦々しい遺物となる
これからは子の時代、個の時代だ
多くを崇め、絶対を崇め
迎えるは霊的な親離れ
各々が各々の霊性を見出だしてゆく時代
我らは子の右眼となり、左眼となり、見守ろうぞ
飛び立て、我らが子よ
聖者がそれを毒とするなら、その毒を喜んで呷り
悪人が嫌悪してやまない事を軽々とやってのけ
酸いも甘いも瓶に注ぎ満たして
一人、また一人と溢れたならば
青き星もいつしか愛で満たされるだろう
羽ばたけ、我らが子よ
ペドロ