『それ』を垣間見た者達はその衝撃を他者に知ってもらおうと試みる。
しかし『それ』を説明しようとするとどこか片手落ちになってしまう。
あの手この手で広まった片手落ちの『それ』は無限のバリエーションとなる。
積もりに積もった幾千の描写は教義や派閥を生んだ。
やがて描写に魅了される者、対立に取り憑かれた者に枝分かれしていった。
それらはまるで『それ』がうたた寝をした時に見る夢だ。
確実なのは目で語りかけてくる者だ。
そしてあなたはその目を体感しなければいけない。
もしかしたら『それ』はウィンクでもするかもしれない。
ペドロ