昔の私は仲が悪かった。
世間と他人と自分と。
過去の自分を思い出す。今の自分にどうなったんだっけ。
……
イライラや不安がへばりつくようになったのはいつからだろう。
寂寥や悲しみがへばりつくようになったのはいつからだろう。
欺瞞や嘘がへばりつくようになったのはいつからだろう。
思い出せない。
それを剥がそうと試みる。
ダメだった。
これが入れ墨になったのはいつからだろう?
彫った覚えのない入れ墨ばかり増えていく。
思い返すと、入れ墨が消えたときもあった。
気の置けない友人と他愛もない話をしているとき。
飼い猫との一方通行のコミュニケーションに勤しむとき。
しよう、しようと思っていた実家への電話。親の第一声を聞いたと
人は一人では上手に生きていけないのかもしれないと思った。
確か私は…自分と仲良くなることからはじめたのだった。
ペドロ