種子のままでいられたらどれだけ快適だったろう。
勇敢なあなたは咲くことを選んだ。
種子のままでもよかったのに。
生命力に溢れていたあなたがそれを選んだのは必然だったのだろう
重い土など軽々持ち上げる。
花にも人と遜色ないほど様々な経験がある。
やがて衣装を変える時が来ることも同じだ。
花の絶頂は満開ではなく散る瞬間にある。
生まれてから死ぬまで、一片の出し惜しみもない。
植物に賢しさはなく、ある種の不器用さを持つ。
そこには執着など存在せず、ただひたすら命を謳歌する。
中には咲けず、子孫を残せないものもある。
そうした存在は表現の一部であり、それはそうであっただけなのだ
価値を見出だし過ぎたり、不要に貶める必要はない。
星にエネルギーが満ち、土から溢れんばかりになると、それは隆起
その高揚が終わると土へ還り、また次の種子へと飛び込むのだ。
ペドロ