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渇望性幸福症候群

地平線のような一筋の光

そこに生まれる光の歪み

オーロラのように個性の天幕を張ったら

意識が駆動する

成って為すという蓋世の彫刻刀が荒ぶり

魂をデザインしていく

直角を湾曲させる

あるいは幾何学模様か

命の原石は生きながらにして彫られていく

内には社会が許諾し得ないような個性の氾濫があって

それは本来剥き出しであるはずだった

渇望性幸福症候群が発症すると

無辺際の覆いとなって巧妙に焦点をずらされる

他者の願いを叶え続け、自分の願いを他者に委ねる

大鵬を見付けるため人々は地下を徘徊する

捕獲したら鳥籠にでも入れるのだろう

症状に寛解はあっても治癒はない

我々は非安定で出来ている

だから事象に対してある種の全体重をかけられる

安定された動きからは起こり得ないハプニングが起きる

処方薬があるとしたら内なる欲望だ

それは覆いを引き裂く

創造が世界を拓くのではなくて

その前段階、創造性の発露が世界を拓く

何かを創るとは記号的なものばかりでは無い

空間に安寧をもたらす

人の内部に活力を与える

大人物じゃなくたっていい

百万人を感動させなくてもいい

あなたの発露が一人を変えてしまう

あなたの笑顔、心からの眼差しが絶望に侵された人を引き上げる

筋肉からではない情からの笑顔

実際はそういったディテールが大切なのだ

神は細部に宿るのだから

ペドロ

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