病が無数の腕になって僕をどんどん連れていく
どんどんどんどん連れていく
傲慢という終極の地へ連れていく
近付く程可能性は目減りしていった
死が鼻先までやってきて
その匂いを嗅いだらなんとも芳しい
芳しいのに、同時にとても嫌な匂いだ
嫌な匂いが強くなると、とんでもない所まで来てしまったと焦った
振り返っても先を見遣っても何もない
たった一つの扉を除いて
その扉は常に開いていた
鍵の存在を知らないかのようだ
どんなに傲慢になったって気付く事は出来た
正常であれば言い訳の一つや二つぼやきたい
しかし、あまりにも草臥れた僕は素直に失った念を取り戻しに行く
ペドロ