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一名様

怒っているという人がいた

口角や眉間を見て、そうなのだろうと思う

寂しいという人がいた

至近距離に座ってみたけれど

これだけでなんになるのだろう

彼らの外殻に触わってみても

物語が読み解けない

喜んでいるという人がいた

こういう時は一緒に飛び跳ねるのがいいんだ

心配してくれているという人がいた

その目は色々な意味が込められているらしい

私には分からないので

とりあえず、大丈夫だよと伝えた

私の学んだ差異を作らない生き方

触覚をもがれた少女は自他が希薄で

どこか超越的であるが、本人には知り得ない

少女は数々の読み解けない物語に触れ

もどかしさで息が出来ないように思えたが

そのもどかしさも第三者の陶酔の中にしかない

悪感情すら肯定され得る人生とはどのようなものだろうか

人々は開きすぎず閉じすぎない目に神性さを見出だすか

少女の胸の裡が悲風となって髪を揺らす

そんな幻を見ることさえ彼女には叶わない

ペドロ

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